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【観劇レポ】松本白鵬さん主演「ラ・マンチャの男」感想

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ラ・マンチャの男」初日公演を観てきました!

ラ・マンチャ男は、初演が1969年でなんと今年2019年は記念すべき50周年とのこと!

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劇場でチケットチェックの際に記念シールを頂きました。

当日の日付まで入ってる(≧∇≦)♪

ラ・マンチャの男」は、今回初観劇。

新妻聖子さんがテレビ番組で「ラ・マンチャの男〜我こそはドン・キホーテ」を歌っているののを見て、曲の格好良さに惹かれ観ることを決めました!

 

 

あらすじ

殺風景とも言える石畳の牢獄に囚人たちのシーンから始まり、そこに松本白鴎さん演じる劇作家セルバンテスと召使いのサンチョが放り込まれる所から始まります。

囚人に襲われながらも、自分の脚本を守るために即興劇「ドン・キホーテ」を囚人達も巻き込んで始めるセルバンテス(松本白鴎さん)。

ここから、牢獄(現実)と即興劇と劇中のアロンソキハーナの妄想ドン・キホーテのお話と3つの軸で話が入り混じりながら進みます。

オムニバスが苦手な私でも、シーンが変わったことがわかりやすい演出の為全く混乱はしなかったです。

牢獄で即興劇を始めるために、眉と髭をつけお化粧をする松本白鵬さん。

次に顔を上げられた時は、

劇中の男アロンソ・キハーナ(ドン・キホーテ)!!!

ラマンチャの男〜我こそはドン・キホーテ」を歌うシーンは、

舞台背景も大道具も特に無い牢獄のままなのに本当に風が吹いて馬に乗って走っている風景が目に浮かぶ!

役者さんの演技力って、本当に凄い、、、!


遍歴の旅はクライマックスへ!『ラ・マンチャの男』2019PV

▼感想

お芝居の感想は、、、、

とても言葉にするのが難しい作品です。

定年を迎えて病気で妄想に入り浸ってしまった人は本当に不幸なのか、、、とか。

観終わった後は、そんな事を考えちゃいました、、、。

予備知識無しで観ましたが、話はわかりやすかったです!

暗いお話かと思っていましたが、意外とコミカルなシーンも多く、笑い声が劇場に何度も響いていました。

その分、妄想と現実がガツンとくるのですが、、、、。

▼主演松本白鵬さんについて

今年77歳なんですね!

劇作家の時の初老の紳士から、即興劇で演じるアロンソ・キハーナ(ドンキホーテ)になると本当にお爺ちゃん。

演技なのか所々セリフが聞き取り辛かったり動きが鈍いところもありましたが、それもまたアロンソ・キハーナ(ドン・キホーテ)の役と重なり、味がありました。

もはや、松本白鵬さんご本人のお話と錯覚するような、役とご本人の一体感、、、。

▼魅力的なキャラクター

アロンソ・キハーナ(松本白鴎さん)

妄想に入り込み自分に都合の良いものを見たいように解釈する姿は、ぞくっとしました。

風車→巨人

ボロい宿屋→お城

売春婦→姫 と。

まさに狂気の沙汰。

周りとの見えている世界の違いに観ているこっちもイライラ・・・

でも、なぜか不思議と羨ましい。

自分たちの都合で、荒治療により現実に引き戻されるシーンは本当に辛い・・・

従者サンチョ(駒田 一さん)

そんなアロンソ・キハーナが見たいように物事を解釈するのに対して、否定はしつつもキハーナの目にそう見えているならその通りなんだ。

とキハーナを尊重して側にいるサンチョ。

物の見え方は人によって違うと受け入れ、物語でも終始笑いを与えてくれるコミカルで懐の深いキャラクター。

なぜ奇人に尽くすのか?

お金にならないじゃないか?

と問われるも、

「ただ彼(ご主人様)が好きだから。

火炙りにされても、ご主人様が好きだと叫ぶ」

と歌うシーンが印象的でした。

利害関係無しに、自分のことを好きって。

そんな事言ってくれる人、

私にはいない、、、T_T

売春婦アルドンザ(瀬奈じゅんさん)

宝塚時代から拝見してますが、とても綺麗で素敵な歌声でした。

現実だけを見て生きてきた彼女が始めて妄想の中に生きる老人キハーナに出会い敬意と礼節を持って接せられることで、現実とは違う自分の可能性を感じる。

でも、辛い目にあって現実に引き戻される。

この辺りはとても胸が苦しかったです。

「あんたの優しい言葉が私を傷つけるんだ!
あたしはそんな綺麗な人間じゃない!
本当のあたしを見てよ!!」

「生まれてきたことが罪だ」

夢を見てしまった方が、より現実が辛く感じるのかもしれない、、。

▼印象的なセリフ

『本当の狂気とは。
夢におぼれて現実を見ないのも狂気かもしれぬ。
現実のみを追って夢を持たないのも狂気かもしれぬ。

だが、一番憎むべき狂気とは、
あるがままの人生に、ただ折り合いをつけてしまって、
あるべき姿のために戦わないことだ。』

現実と折り合いをつけて生きるって一番楽だし、それが大人だよね、と思ってた私には、

グサッときた言葉でした。

▼公演情報

■公演時期・会場:
2019年10月 帝国劇場
2019年9月大阪・仙台・名古屋(詳細は後日)

■キャスト(★は新キャスト):
セルバンテスドン・キホーテ松本白鸚
アルドンザ: 瀬奈じゅん
サンチョ: 駒田 一
アントニア: 松原凜子★
神父: 石鍋多加史
家政婦: 荒井洸子
床屋: 祖父江進
カラスコ: 宮川 浩
マリア:白木美貴子★
牢名主: 上條恒彦
ほか
■脚本:デール・ワッサーマン

■作詞:ジョオ・ダリオン
■音楽:ミッチ・リー
■訳:森 岩雄、高田蓉子
■訳詞:福井 崚
■振付・演出:エディ・ロール(日本初演
■演出:松本白鸚
■演出スーパーバイザー:宮崎紀夫
■プロデューサー:齋藤安彦、塚田淳一
■製作:東宝
■公式サイト:https://www.tohostage.com/lamancha/

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まとめ

人は夢に生きる事が幸せなのか、

現実と向き合う事が幸せなのか考えさせられました。

少し哲学的なお話ですが、勢いのある音楽とコミカルなシーンが重さを感じさせず楽しめました!

自分がどう生きるべきか悩んでる人、

今何かが上手くいかなくて苦しんでいる人にオススメしたい舞台です!!!